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日本自転車ツーリングの諸相

By Bill Macher

第五章 そして、人について

japanese kidsうーむ、そう、人について。これは、この国を特別なものにしている要因の一つだ。私達は、日本を旅行するとき、それぞれに人との交流の機会があることだろう。一つ確かなのは、日本人というのは、いつもポジティブだということだ。過去の経験から思い出すキーワードは、日本人は外国人に対して非常に世話好きで、正直で、親切ということである。

北海道に行ったとき、留辺蘂(ルベシベ)という小さな町を訪れた。近くの河岸でキャンプするか公園でテントを張るかを悩みながらブラブラしていた。夕暮れになり、自転車に乗った子供達が数人公園に入ってきた。彼らは私に興味を持ったのか、「ハロー!ハウ・アー・ユー?」と言い、最初に英語、それからすぐに日本語で答えたらものすごくびっくりされてしまった。見る見るうちに大人数!そしてその中の何人かの子供たちが、私を案内してくれると言い出した。彼らは「これは電気屋さん、何か買いたい物がある?中に入る?」「これは薬屋」「あれは・・・」と言った感じで私をツアーに連れ出してくれた。一人の男の子が私に焼き鳥をくれたりし、しばらく楽しくおしゃべりをした。「夜は強盗に気をつけて」(実際は、そういうケースは非常にレアである。多分皆が心配しているからそう言ったのだと思う)とか「青森ではリンゴが美味しいよ」などのいくつかのアドバイスももらった。

子供たちは私の自転車のチェーンリングが5枚もあることに興味津々。(結局のところ、その年代の子供達にとって自転車というのは生活の中心!)テントを張って中に入るまでの一部始終を観察し終わらないことには子供達は家に帰らないなーということに気づいた私はまもなくテントに引っ込み、「おやすみおじちゃん」というやり取りを終えた後にようやく一人、一人と家路につくことになった。

take a truckある時、本庄という日本海に面した町で、通りすがりの人に銭湯の場所を尋ねた事があった。教えてもらった方向に向かっても見つけられず、また、近くを歩いていた数人にその銭湯がこの近くかどうかを聞いてみた。最初、彼らはその銭湯はすでに閉鎖しちゃったけど、近くに別の温泉があることを説明しようとしてくれた。そして、「ついてきて」と言う彼らと共に建物の裏の道を進むので、てっきり目印と方角を教えてくれるものだと思っていたら何とそこにはライトバンが。「僕達のバンに自転車を積んでそこまで送っていくよ、道を説明するのは難しくて・・・」と言うのだった。生憎バンが小さくて自転車が入らなかったので、彼らの持っていた別の大きなトラックに自転車を積み、それを先導する形で私と彼らのご一行は温泉へ向かった。

温泉に着くと、入湯料と営業時間を確認してくれ、その後サーッと帰って行った。温泉近くの湖でその夜のキャンプ地を見つけ、スーパーマーケットでビールと寿司を夕飯用に調達。温泉へ戻りゆっくりお風呂に浸った。まさに私が体を洗ったり温泉に入ったりといつものように楽しんでいたときに温泉に現れたのは、さっきの青年達のうちの1人とその友達であった。「温泉施設の中にある小さなレストランで一緒にビールでも、と思って来たんだ」と言う。旅行真っ只中の私にはたっぷり時間はあるし、テントにビールと食べ物もあるし、「温泉から出てくるのを待っているよ」と彼らに伝えた。

しかし!驚いたことに私が出てきたときは、既に彼らは着替え終わっていてすっかり準備万端だった。一緒にレストランへ行き、美味しいビールと美味しい食事をたらふく堪能した。それは本当に予期せぬ楽しい夕べとなった。それに加えて、翌朝私が出発のために荷物をまとめて公園のベンチに座って湖を眺めていたとき、昨日の仲間と奥さんが私のために作ってくれたというお弁当を持って現れてくれたのだった。

japanese hospitality更に、小さな町の食堂で食事をしていた道路工事の人が私のグラスにビールを何杯もついでくれたこと、露天風呂でビールを飲んだ酔っぱらいの連中が、(私がよだれを垂らしていたからか?!)ロビーへ行って私の分のビールを取ってきてくれて一緒に露天風呂でビールを飲みしゃべったこと、大きなクラクションを鳴らして後ろから私を追い越したバンの窓から突然手が出てきて私に渡してくれたのは、私が自転車から落としていたお気に入りのライムグリーンのシャツだったこと、大人しそうに制服を着た小さな幼稚園児達がバスの窓からこちらを見ていたので、私が手を振ると突然笑顔になり、アニメの「バイバイマシーン」のようになり、しばらく幼稚園バスと私で鬼ごっこのような状態で遊んだこと、トラックのドライバーが何故か突然私の前で停まり、トラックから出てきて1000円札(約10ドル)をくれたこと、まだまだ枚挙にいとまがない。日本を旅行中に見知らぬ人から受けたこれらの親切や前向きな感情は全て良い思い出となっている。

私の親友、ハルオさんとモモちゃんのことも忘れてはならない。成田のご自宅で受けた温かいもてなしについては、このイメージ写真を示して話したい。嬉しかったのは大きなドイツのビールグラスで何度もおかわりをさせてもらっての大歓迎・・・あ、ハルオさん悪い!あなたはこのカメラの後ろ側にいて映ってなかったね!

[第四章 お風呂] [第六章 道・ドライバー達]

last modified:05, 12, 2006