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日本自転車ツーリングの諸相By Bill Macher 第六章 道・ドライバー達日本の道ってどんな感じ? まず道より先に、日本のドライバーってどんな感じなんだろう?日本では自転車は、非常に一般的なので、普段、(私は「常に」と言うべきか?)車の運転手は自転車に対してとても気を遣っているし、自転車のニーズも理解しているようだ。道を譲って先に行かせてくれることはしばしばであるし、サイクリストに対してのリスペクトと理解を持って接してくれる。 ただ、これはある程度の距離(幅)を持って自分を追い越してくれるということを意味しているわけではないので注意が必要だ。なぜなら日本では道は狭い。日本の車は米国でのケースより自転車に近いところを通る事が多い。しかし、スピードはアメリカでより遅い。運転手は狭い道を走ることに慣れているので車の位置、あなたの位置、自分がどれだけ自転車に接近しているかを把握している。結局のところ、日本での車による追い越しはアメリカでのそれより安心さを感じる。加えて、運転手は自転車が近くを走っていることを認識している。まあ、多分荷物をたくさん積んだ自転車旅行者としてではなく、一般の自転車乗りとしてではあるが、日本では、罵声を浴びせられたり、クラクションを鳴らされたりということはそれほど無い。なので、自国で乗っているより日本で乗っている方が危ない目に遭うことは少ないと思う。日本の道は、少なくとも主要な交差点にはかなり分かりやすく青い標識が出ている。主要都市以外では、標識はほとんど日本語のみでしか出ていないが、おそらく言葉が分からない人でも理解できるものだ。但し、特に細かい道を通って旅行をすることを計画している場合は、少しお金を出して良い地図を買う必要がある。そうあることではないかもしれないが、方向がわかなくなってしまったり、目安となる太陽の方角が分からない曇りの日などは安物の方位磁石でもあれば良いかもしれない。(これはどの国でも共通のことだが) 道そのものは、大変傾斜が多く、狭い。もし、山越えをする場合、曲がりくねった道を20Km上らなければならいこともある。上った後は同じような道を逆に下りる。曲がりくねった道は、角度が急なので荷物を積んだ自転車では時速16キロ(10Mph)もしくはそれ以下の速度でもスピードコントロールしにくいことがある。90m(100ヤード)毎にやってくる曲がり角で方向を変えるときはゆっくり進もう。私も何度もカンチレバーブレーキに加えて、後輪にドラッグ式(*)ディスクブレーキ(*:タンデム車などに付けられるレバー等によってブレーキ力を一定の強さに調整できるブレーキ)を付けていて良かったと痛感したことがあった。 日本では山国に常としてトンネルも多い。いくつかのトンネルは自転車でも十分に通れる歩道がついているが、無い場合もある。いつも渋滞しているわけではないが、その可能性も高い。長いトンネルでさえ追い越し車線がないものも多いからだ。トンネル内にライトはあるが、それでも自分自身でライトを持っていた方が良い。ライトのついていないトンネルも一つか二つには出くわすかもしれない。反射板も必要だ。後ろのストロボライトやテールランプがあれば安心だろう。 また蓋のない側溝も道沿いには多く、道の端で突然何メートルもの深さがある穴が空いていることもある。落下防止のガードレールもないので注意が必要だ。どこを走るかによるけれども、東京の南地区を走っていたとき、そのような危険物にしばしば出くわした。どの道を選ぶか次第だが、それ以外の場所ではそう多くはなかった。 ギアチェンジについてのアドバイスは、低いギアであればあるほど良い。延々続く長い上り坂を苦しみながら上がるのはそれほど楽しくない。急坂であればあるほどそうだ。しかし時には長い急坂を上らなければならないこともある。そのような時は前を20Tグラニー(編注:英語の俗称でフロントインナーギヤのこと。おばあちゃんでも乗れる軽いギヤの意。)、後ろを32か最大で34に調整した。覚えておいて欲しい、あなたは自転車旅行者であり、荷物を積んだ自転車というのは決して軽い物ではないのだ。(私の自転車は水のボトルを積んだ状態で90lb=41kgあった)苦しみながら上るより楽しみながら上りを走った方が良いに決まっている。 忘れてはならないのは、日本は左側通行であるということ。なので、右側のハンドルバーにつけられるサイドミラーを買うのが賢い。このミラーは実に有用だった。なぜなら私を追い越そうとする大型トラックの存在をかなりの余裕を持って教えてくれるし、道が狭い場合は歩道へ逃げることを可能にしてくれたからだ。歩道に上がる事は、すぐ後にトラックに迫られる恐怖から逃れると言うよりは、むしろトラックの迷惑にならない様に気を遣っての事だけど。そして豆情報。日本の大型トラックの面白いところは、車体の上に3つのグリーンのランプが付いており、それらはトラックの走行速度を表すことになっている。3つ共ついていたらトラックのスピードは速い、どのくらいかって?そうだな、よく分からないけれど多分50Kmくらいかな。(編注:時速60km以上:現在はこのランプの装着義務は無い)とにかく、日中であればバックミラーにこれらのグリーンのライトを見つけることはとても簡単だ。この(左の)走行中に撮った写真には、北海道の田舎道と、当然ながら右側に付けられたバックミラーが写ってる。 右の写真は、北海道知床半島の南にある小さな町、羅臼である。羅臼は半島を16Kmかけて山越えする道のスタート地点である。この町は色々な意味で典型的な日本の小さな町の要素を持っている。交差点にはかなり近代的なビルが建っている。しかし、ご安心あれ。これは日本の古く良い伝統が終わりを告げているというわけではない。この道を進めば、古きと新しきの両方が混ざった光景を見ることができる。 この道を進むのなら、3キロちょっと(2マイル)行ったところの右側にキャンプ場があり、その入り口の近くに無料の良い露天風呂がある。ここで是非停まって素晴らしい温泉の体験をして欲しい。私自身は日本で一度もキャンプ場は利用しなかったが、ここはそんなに高くはない。もし、次に羅臼に行くことがあれば、私は必ずこのキャンプ場に泊まって、素敵な無料露天風呂を堪能したいと思っている。 last modified:05, 12, 2006
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