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5. 規則正しい交通事情、不器用な事故、そして愛への好奇心

兵庫、城崎温泉にて 著者の最も好きな町の一つである

距離を重ねれば重ねるほど、日本で自転車旅行をすることの確信が持ててきていた。交通事情はニュージーランドよりも規則正しい。大きい車は私達の後ろにつき、追い越すときは、対向車が来ていないときだけであった。

より人の多い都心部では、自転車ツーキニストと共に、しばしば広い歩道を走った。ツーキニストたちは向こう見ずなところがあるのだが、巧に他の自転車乗りや歩行者との衝突を避けながら走っていた。幸運なことに、私との衝突も避けられた!

私が初めて事故に遭ったのは、ある疲れた一日の終わり、萩市にまもなく着こうという時であった。道路と歩道を仕切る低いコンクリートの縁石で足が滑った。その結果、乗っていた自転車が私の上に落ちてくる事故となった。それはスペクタクルというより無様であり、ようやく起き上がった時には片足から出血していた。

本当はすぐにでも近くのユースホステルへ行ってシャワーを浴びたかった。台風が近づいていた。それなのに私の汗まみれの汚い体は、病院の真っ白なシーツの上に横たえられていた。怪我をした足を看護婦さん達が慰め、痛みを取り除いてくれている一方で、上手に縫われた。とても優しく、そして丁寧だった。しかも私の靴下はそんなに臭わないから、と気まで使ってくれた。

先生にはただ単純に「このようなスポーツをするならば、このような怪我はつきものだ」と言われてしまっただけだったが。

日本のラブホテルは、ガイジン旅行者の興味を引き立てるものであり、私もその例外ではなかった。ヨーロッパの安っぽい城のような外観で、簡単に見分けがつく。時々ラブホテルの近くで止まって、利用者が出ていくのを見ていたりした。大抵の場合、彼らは若い。どういうホテルかは知っていたが、悲しいことにカップルには笑顔がなく、決して幸せそうではなかった。

10月22日に本州の最南端に近づき、これが本当のマイルストーンとなろうとしていた。44日間の本州での走行2356キロを成し遂げた。ランス・アームストロングの記録にはほど遠いが、大いに満足できるものだった。本州の南海岸はとりわけ魅力的だった。日本海はすこぶる透明であり、このことは地元の漁師からも認められていた。

[4. 本州を走り抜く] [6. 九州、ついにやって来た]

last modified:27, 06, 2008